「ワンちゃんと人が一緒に暮らすプランニング」編
『ワンちゃんと人が一緒に暮らすプランニング編』
前回は、『ワンちゃんにとっても人にとってもうれしい床って?』をテーマに、床材一つを選ぶまでのエピソードをご紹介しました。自分で書いていて、改めて無垢の木の奥深さを実感しています。
さて第2弾の今回は『ワンちゃんと人が一緒に暮らすプランニング』について。
ワンちゃんとの暮らしについて私たちが気付いたことや、打合せを通じて知ったことなどもご紹介したいと思います。
どんな暮らしがしたいですか?
ワンちゃん2匹と暮らしているO様に対して、ワンちゃんを飼ったことのない伊藤&脇坂ペア(そしてそれを見守る設計の責任者、橋本も…)。
- O様がワンちゃんと生活する上で何にお困りなのか?
- どういう暮らしが理想なのか?
- ワンちゃんはどんな行動をするのか?
- 飼い主が味わう苦労やそれを上回る喜びは?
などなど、ワンちゃんとの暮らしの「リアルな声」を理解しておかないことにはとても良い家づくりなんてできません。
分からないことはお客様にお聞きするのが大原則!
O様! ワンちゃんたちとの暮らしのことを教えてください!
O様「そうねぇ。まず散歩から帰ってきたら、玄関からそのままドッグバスに入れて汚れを落としたいかな?」
・・・ドドド、ドッグバス??
すみませんO様・・・ドッグバスってなんでしょうか・・・
O様「ワンちゃんを洗うお風呂よ」
伊藤「えっ?! ワンちゃん専用のお風呂なんてあるんですか?!」
住宅業界入社2年目。ワンちゃんとの暮らしについて何も知らない自分がさすがに情けなくなりながらも詳しくお聞きすると、なんとO様は普段からワンちゃんのシャンプー・トリミングをご自身で行なっていらっしゃるとのこと。
今お住まいのお家でも洗面室をリフォームして、ドッグバスでシャンプーを。カット台でドライヤー&トリミングをしてあげているのだとか。
※これがドッグバス!
今度の新しいお家ではそれらに加え、玄関→シューズクローゼット→トリミングスペースとさっと移動できる動線にしたい!というご希望をお持ちでした。
なるほど!
確かに散歩から帰ってきたら手早くキレイにしたいですもんね・・・
ドッグバスの設置とそこまでの動線について、設計の脇坂と一緒に動線を考えてみます!
その前に・・・脇坂も私(伊藤)もトリミングやドッグバスがどれぐらいの大きさでどれぐらいのスペースが必要なのか分からないので、後日O様のお宅で現物を見させて頂くことになりました。
■おうちにお邪魔して分かること
ピーンポーン
「こんにちは~。Shoei彩工房の伊藤です」
初めてお家に上がらせて頂いたらすぐに駆け寄ってきてくれたのが、今回の家づくりの主人公である2匹のワンちゃん(ルークくんとモモちゃん)。これがワンちゃんたちとの初顔合わせでした。
「これが今使ってるドッグバスで、ここで洗ったら、カット台とドライヤーを持ってきて…」と実際に使われているものを見させていただきながら、メジャーで採寸。
案内してくれるO様が動くと、ワンちゃんたちがすぐ後ろをついていく。
「本当にワンちゃんたちもO様大好きなんだなぁ…」と思いながらその様子を見てました。
帰り道、脇坂と意見交換。
「ワンちゃんを飼っていると、シートやドッグフードとかやっぱりかさ張っちゃうんだね…」
「散歩に行くのに必要なものや、おもちゃとかもあるみたいでしたね」
などなど、ご自宅を見させて頂くことで気付けたことがたくさんありました。
これも後々、プランに反映されることになります。
■いざ、プランニング!
「どんな風に暮らしたいか?」彩ヒアリングシートを基にO様から伺い、初回プランご提示の準備がスタートしました。
話を聞いていると、O様がワンちゃんたちを大切に思っている気持ちが強く伝わってきて、O様がワンちゃんと一緒に楽しく過ごせる家にしたい!と私たちの気持ちも更に高まります。
脇坂もワンちゃんとの暮らしを楽しめるよう、雑誌やインターネットなどでどんなスペースがあるといいのかを調べて、「ここのイメージ、こんな感じね」と写真つきでプランを仕上げていきます。
最初のプランでは、「植物を冬になると室内に入れる」という奥様と、暑い夏にワンちゃんがお腹をくっつけて涼をとるとのことで、リビングの一角にタイル張りのスペースを設けたり。
ワンちゃんが家の中を走り回ることから、1階をキッチン・廊下・リビングダイニングをぐるぐる回れる回遊性あるプランにしたり。
O様が外出した時に最後までお見送りできるようにワンちゃん目線の小窓を設け、「ここから最後まで見送って、この前で待ってて、帰ってきたO様の姿を一番に見つけられる。そんな窓なんだよ!!」っていうアツいプレゼンも受けました。
そんな脇坂が造ったプランをもとに、【彩プレゼンシート】(イメージ写真やイラストが載った図面)を造ったところ…いたるところにワンちゃんと快適に過ごせる空間があって、作ってる間も「ここにO様とワンちゃんたちが暮らしたらどうなるだろう・・・」というワクワクの妄想が止まりませんでした。
このプレゼンシートをO様に一番最初にご覧いただいた時に
「すごい!このシート、新しい家で額にいれて飾りたい!!」
という、本当に嬉しいお言葉を頂きました。
ウフフ。嬉しいです!
■そして、タタミスペースが完成!!
そんな一番最初のプランを見ながら、お打合せを重ねているうちに
「タイルも魅力的だけど、今ほとんどの時間を和室で過ごしているから…少し畳があるといいなぁ」というO様の言葉から方向を転換。
リビングで
ワンちゃんとくつろぐ
タタミスペース
(いろいろと字余り)
なぜか短歌調になりましたが、ビング・ダイニングが見渡せて日当たりが良い場所に「小上がりのタタミスペース」をご提案することになりました。
ごろんと寝転がることも出来るし、ゆっくり腰かけてTVを見ることも出来る。
後ろは収納になっているから、ワンちゃん用のおもちゃや本なども仕舞えてぱっと取り出しやすい。
落ち着くにはもってこいのスペースになるはずです!!
ただ、ここでひとつ問題…いや悩みが。
小上がり(※床から一段上がる)のタタミスペースの下。
普段、こちらからは収納のご提案をする空間なのですが、以前O様のご自宅にお邪魔した時にワンちゃん用の荷物が多かったことから、すでに充分な収納スペースを確保してありました。わざわざ収納をここに作る必要がない…
うーーん…ここもワンちゃんたちのために使えないかな??
ということで、O様とのお打合せにてそのことをお話しすると、「たとえば、そこに収納の引き出しを付けるんじゃなくて、空っぽのままにすることは出来ますか?」とご主人様から質問が!!
何と!!ワンちゃんたちは、雷が鳴ったりや叱られた後は、狭いところに避難することがあるのだとか。
そういえば、最初の方で調べたときにもハウスをカウンターの下に置いている人がいたなぁ…とぼんやり思いだしました。
「引き出しを無くすと、ここがこのくらいの高さのスペースになるので…」とメジャーを取り出して、その場でO様とチェック。
「これならちょうど良さそうです」と、ワンちゃんの居場所にもなる小上がりのタタミスペースが、プランに追加されました。
実際に、工事が始まりO様と現場を確認すると、想像以上に居心地の良さそうな空間になっていました。
3人でワンちゃんの床下スペースを覗きこみ、「ここまでヒノキの腰壁が貼ってある!!」と感動して写真をばしばし撮って、なんだか図面だったものが形になったことへの感動を共有。
(↑※物件は完成前だったので、弊社モデルハウスの参考写真を)
O様から「今日も、現場に来る前に怒られちゃったから、ワンちゃんたち狭いところに隠れてたんです。小上がりのタタミスペースは、引越してからすぐに使うことになりそう!」とおっしゃっていただきました。脇坂も喜びます!
ということで、何度か打ち合わせを重ねながらO様とワンちゃんたちの理想の暮らしのためのプランニングは毎日着実に進んでいきました。
今回の「プランニング編」はここまで。
お読みいただいてありがとうございました。
次回は、ペットとの共生とソーラーサーキットの家の相性が抜群に良い!というお話をさせていただきます!
さいたまで注文住宅づくりを考えている方の参考になれば幸いです。
担当伊藤が綴る「愛犬と幸せに暮らす家ができるまで」レポート